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2017年10月17日 [不動産]

相続と不動産評価

主な相続財産が実家の不動産のみである場合

遺産分割で争われる事案というと,一般的には相続財産が多いため,利害が対立しがちであるようなケースを想像されるかもしれません。しかし,家庭裁判所の調停によって遺産分割を行った案件の多くは,相続財産が5000万円に満たない案件なのです。我が家には相続する財産はそれほど多くないのだから,相続問題は我が家には関係ないと思っていても,相続問題は起こり得るのです。

今回は,相続財産が居住していた戸建住宅の他,少額の預貯金しかない場合において,兄弟が財産を相続する場合の問題を考えてみたいと思います。このような場合には,以下でみるように,相続財産である自宅(戸建住宅)の不動産評価額が問題となることがあります。

どのように遺産分割協議が行われるか
相続財産である自宅を,相続人である兄弟がいずれも売却したいと考えている場合には,売却することによって得た金額を兄弟で分けることによって解決することが考えられます。
他方,親が亡くなった後,兄弟の一方であり,親と同居していたAさんが,なじみのある自宅に住み続けたいと考えた場合には,居住を望まない他方の兄弟であるBさんに対して,一定の金銭を支払うことによって,遺産分割を行うことがあります。このような遺産分割方法を代償分割といいます。代償分割は,Aさんが自宅を取得する代わりに,Bさんの相続分である2分の1相当の自宅評価額をBさんに支払うことになります。例えば,自宅の価値を2000万円とする場合,AさんはBさんに対して,1000万円を支払うことを内容とする遺産分割協議を行うことが考えられます。
代償分割における不動産の評価額
それでは,上記の2000万円という自宅の価値は,画一的に決まっているものなのでしょうか。

自宅は建物部分と土地部分とに分けることができ,そのうち土地部分の価格には,複数の考え方があり,実際の売買価格(実勢価格),固定資産評価額,地価公示・地価調査,路線価といった価格の種類に分かれています。遺産分割協議においては,固定資産税評価額以外を参考に,相続財産である土地の価格を算出するのは容易ではないため,その価格を容易に判断することができる固定資産評価額を参考とすることが多いと思います。
しかし,固定資産評価額は,実勢価格と比較すると,3割程度低く定められているといわれています。したがって,固定資産評価額を参考に,代償分割での金銭交付額を決定してしまうと,金銭を受け取る側(上記の例では,Bさん)は,実勢価格よりもかなり低額な金銭しか受け取ることができなくなってしまいます。また,上記の他,不動産の評価額は,それぞれの土地ごとに地形,面積,道路付等が異なりますので,専門家をもってしても評価額に差異が生じることが多くあります。そこで,不動産の代償分割においては,不動産の価格をどのように考えるかという点で争いが生じることが多く見受けられます。

このような「争族」にならないようにするためには,生命保険の活用や遺言の作成等といった生前の相続対策を行うことが考えられます。高齢化してからの相続対策は,遺言者の遺言能力等の問題が生じることもありますので,できるだけ早い対策が望ましいといえるでしょう。
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